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2018年11月28日
泣けた作文。
こんにちは。じいたんです。
以前にも書きましたが、私は作文コンクールの審査員をしています。
毎年4万以上の小中学生の作品が集まってきます。今年もその最終審査がやってきました。読んでいますと、どどっと涙があふれてきます。
こちらの涙腺も弱くなっている上に、子どもたちの作品が容赦なしの内容なのです。
テーマが「親切」ですので、人と人とのふれあいがたくさん出てきます。今年感じたのは、認知症の方を扱ったものが増えたということです。少子高齢化の世相が作文にも現れているのですね。
中にこんな作品がありました。
母親の務める老人保健施設に、遊びにいく小学生の少女の話です。
施設に入っているある老婦人が「よく来たわねえ。はなちゃんよね」と呼びかけます。その子は「私は●●です」と答えると「あら、ごめんなさい。●●ちゃんね」と老婦人は言って訂正するのですが、また次の時には「はなちゃん」になっています。どうやら、はなちゃんというのは老婦人の孫娘の名前のようでした。
ここで少女は、少し悩みます。「はなちゃん」と呼ばれてもかまわないのだけれど、それだとおばあさんをだましているような気がしたからです。
私はこの部分に感動しました。相手のことを真摯に思いやっている姿勢にです。また、相手が認知症とわかってはいても、その方への対応を測りかねている姿にです。これは大人にも割り切れないとまどいの感覚なのではないでしょうか。
ただ、いつもこの作文コンクールで思うことがあります。
まだまだ日本は日本人らしい感性の子どもたちが育つ土壌が残っているのだなと。それには幼少期の体験がとても大事なのだと思います。安心はできません。
家庭内虐待などを受けたら、どんな人間だって健全な心を保つことはできないでしょう。人間不信にもなるでしょうし、自虐的にもなるでしょう。そのまま長じたら?
こうした負の遺産を作らない、残さない社会のあり方が必要なんだと思います。
私も認知症にならないように頑張りたいと思います。